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公務災害補償・福祉給付

公務災害補償制度

第1 公務災害補償制度の性格

1 公務災害補償制度の意義

消防団員等が公務上の災害を受けた場合に、市町村等が被災団員又はその遺族に対し、その災害によって生じた損害を補償し(損害補償)、併せて被災団員の社会復帰の促進、遺族の援護等を図るために必要な福祉事業を行うものである。
 この場合の「公務上の災害」とは消防団員等が消火・訓練等の消防団活動などで被った負傷、疾病、障害又は死亡の身体的損害をいう。

2 公務災害補償制度の特徴

公務災害補償制度は次の三つの特徴が挙げられる。

1. 無過失責任主義

消防団員の使用者である市町村は、使用者としての過失責任の有無にかかわらず、無過失の補償責任を負う
ものとされている。

2. 身体的損害に対する補償

補償の対象となる損害は、身体的損害に限られ、物的損害や精神的損害(慰謝料)は含まれない。

3. 定型的補償

市町村の補償条例に定める補償基礎額に各補償ごとに定められている倍数を乗じた額となっている(療養補
償・介護補償を除く。)。

第2 公務災害補償の対象者

1 団員
1. 消防団員

消火、操法訓練等の消防団活動により被災した場合

補償の根拠規定 消防組織法第24条(第1項:市町村の消防団員に対する公務災害補償、第2項:市町村の福祉事業の努力義務)

2. 水防団員

洪水、高潮等における警戒防御活動、訓練により被災した場合

補償の根拠規定 水防法第6条の2(市町村の水防団員に対する公務災害補償)

2 民間協力者
1. 消防作業従事者
  1. マンション・アパートのような専有部分がある建築物の火災の場合において、火災の発生した専有部分以 外の居住者等で消防隊の到着前に消火若しくは延焼の防止又は人命の救助(応急消火)に従事した者(消 防法第25条第1項)
  2. 火災現場付近にいて、応急消火義務者の行う応急消火に協力を行った者(消防法第25条第2項)
  3. 火災現場付近で、消防吏員、消防団員又は航空消防隊に属する都道府県の職員から要請を受けて消防作業 に従事した者(消防法第29条第5項、第30条の2)
  4. 暴風、豪雨、地震などによる災害の場合において、消防業務に従事したり協力したりした者(消防法第36 条第8項準用規定)

上記1~4の者に対する補償の根拠規定 消防法第36条の3第1項及び第2項

2. 救急業務協力者
  1. 事故現場付近で、救急隊員から要請を受けて救急業務に協力した者(消防法第35条の10)
  2. 事故現場等で、民間人が119番通報により「口頭指導員」の指示のもとで要救助者の応急手当に従事した者(平成11年7月6日消防救第176号)
    口頭指導→救急要請受信時の電話等を使用した応急手当の指導をいう。

補償の根拠規定 消防法第36条の3第1項

3. 水防従事者

水防管理団体区域内に居住する者又は水防の現場にある者で、水防管理者、水防団長等からの要請を受けて水防業務に従事した者(水防法第24条)

補償の根拠規定 水防法第45条

4. 応急措置従事者

市町村の区域内に災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合(原子力災害の発生で原子力緊急事態宣言があった場合を含む。)において、区域内に居住する者又は災害現場にある者で、市町村長から要請を受けて応急措置の業務に従事した者(災害対策基本法第65条、原子力災害対策特別措置法第28条)

補償の根拠規定 災害対策基本法第84条

第3 公務の範囲

1 消防の任務
「消防の任務」の定義(消防組織法第1条)

消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とする。

2 消防団の業務
1. 消防団の業務

消防団の業務は多岐にわたっており、公務の範囲も消防の任務の直接遂行行為に限らず、広範なものとなっている。この消防団の代表的な業務を列挙すると次のとおりであるが、いずれも社会的要請を受けて従事することが消防団の業務であることの要件とされている。(「消防力の整備指針」第36条(平成12年1月消防庁告示第1号))

消防団の業務 業務内容の具体例
1.火災の鎮圧に関する業務 ・消火活動 ・火災発生時における連絡業務
・火災現場における警戒(鎮火後の警戒を含む。)
2.火災の予防及び警戒に関する業務 ・防火訓練、広報活動等の火災予防活動
・独居老人宅等への戸別訪問による防火指導
・年末警戒 ・夜回り ・花火大会等における警戒
3.救助に関する業務 ・水難救助活動 ・山岳救助活動
・交通事故等における救助活動
・救助事故現場における警戒 ・行方不明者の捜索
4.地震、風水害等の災害の予防、警戒及び防除並びに災害時における住民の避難誘導等に関する業務 ・住民の避難誘導 ・災害防除活動 ・災害現場における警戒
・災害発生時における連絡業務 ・危険箇所の警戒
5.武力攻撃事態等における警報の伝達、住民の避難誘導等国民の保護のための措置に関する業務 ・住民への警報や避難指示等の伝達
・住民の避難誘導
6.地域住民(自主防災組織等を含む。)等に対する指導、協力、支援及び啓発に関する業務 ・自主防災組織等に対する指導、協力、支援
・応急手当の普及指導 ・イベント等の警戒
・スポーツ大会等への参加を通じた防火意識の啓発
・木遣り、音楽隊等の活動を通じた防火意識の啓発
・老人ホーム等各種施設、団体での防火啓発
7.消防団の庶務の処理等の業務 ・業務計画の策定 ・経理事務 ・団員の募集 ・広報誌の発行 ・その他、庶務関係事務
8.その他、地域の実情に応じて、特に必要とされる業務 ・資機材の点検整備 ・消防水利確保のための草刈り等
・操法訓練 ・その他、地域の実情に応じて特に必要とされる業務
2. 個別事例

消防団員は、非常勤でそのほとんどは通常、別に生業を持っており、地域の安全のためボランティア精神により防災活動などに従事しているものであり、活動の多くは地域に密着したものとなっている。
また、社会経済の進展により災害態様の多様化が生じてきている中、地域における消防団の役割の重要性、消防団への期待もより高まってきているところであり、公務の範囲については、これらを踏まえ、事案によっては、地域の実情、出動経緯などを勘案し判断することが必要である。
以下は、公務として取り扱われた主な事例を例示したものである。
なお、内容が例示のとおりでなく異なった状況がある場合でも、団長の出動命令の有無、具体的状況などにより、公務上の取扱いとなり得る場合がある。

  1. 焼失家屋等の後片付け活動
    建物火災等の鎮火後における再燃防止のための後片付け活動は公務として取り扱われる。
  2. 消防施設の補修・整備
    消防団員が行う消防団詰所、器具倉庫、やぐらなどの補修・整備で軽微なものや消防水利確保のための草刈り作業などは、公務として取り扱われる。
  3. 花火大会等における警戒等
    花火大会、祭礼、イベント等での火災警戒、会場の整理等は公務として取扱われる。また、行事開催中の会場整理、会場の準備・後始末についても、これに準じて、公務として取り扱われる。
  4. 水難、山岳救助活動
    遭難船舶での救出活動・行方不明者捜索や山岳遭難等における救助活動は、公務として取り扱われる。
  5. 行方不明者の捜索活動
    山菜採り等災害によらない行方不明者の捜索は、市町村長の要請により団長の命令で出動し、その捜索活動に従事した場合は、公務として取り扱われる。
  6. 視察研修旅行
    消防施設等の先進地視察など、その目的が消防に関連した研修、学習的意義をもつ内容であるものは、公務として取り扱われる。
  7. 町内運動会等への参加活動
    消防団の広報、または住民への防火意識の啓発等を目的として、消防団として参加したものについては、公務として取り扱われる。
  8. レクリエーション行事
    レクリエーション行事については、体力錬成を目的として、消防団の公的行事(年間行事計画に入っていること。)として実施された場合は、公務として取り扱われる。
  9. 反省会等
    会議、出初式等の行事後の反省会等であって飲酒を伴うものについては、当該行事に付随するものとして予め団長が計画し、かつ、その趣旨、内容及び開始時間、所要時間、飲酒量等からみて、社会通念上、当該行事との関連性を失わない程度のものであれば、当該行事に付随するものとみなして、公務として取り扱われる。ただし、消防団員の災害が飲酒による場合は、公務災害には該当しない。
  10. 地域安全活動
    消防団が、消防機関の活動の一環として、防火に関する地域パトロール又は広報活動を警察機関と合同で実施する場合は、公務として取り扱われる。
    また、消防団が火災予防の広報を行う際に、付随的に防犯・交通事故防止等に触れることは、差し支えないとされている。(平成16年2月13日消防庁消防課長回答)
3. 消防団活動に伴う行為の取扱い
  1. 消防の任務遂行に伴う合理的行為
    生理的必要行為、食事行為、待機行為
  2. 準備・後始末行為
    制服の着替え、機械器具の点検準備
  3. 公務遂行に伴う往復行為
    1. 始点と終点
      公務の始点と終点の境界点は、次のとおりである。
      (ア)火災、水災等の非常時の場合
      ・始点は災害の発生を覚知又は出動命令を受けた場所
      ・終点は自宅敷地(門扉、共同住宅の場合は各戸のドア)
      (イ)訓練、会議等の平常時の場合
      ・始点、終点とも自宅敷地(門扉、共同住宅の場合は各戸のドア)
    2. 帰路途上の逸脱行為
      通常の経路をそれて飲食店に立ち寄った場合などは、原則としてその後の行為は逸脱行為として対象外となる。
    3. 経路の選択
      公務従事場所と自宅等との往復経路は、社会常識の範囲内で妥当と認められる道筋による。

第4 公務災害認定の基本的考え方

公務災害に該当する(公務上)か、該当しない(公務外)かは、まず、公務遂行性があるか否か、次に公務起因性が認められるか否かにより判断する。

1. 公務遂行性

「公務遂行性」とは、上司(団長、副団長、分団長等)の命令に従い正規の消防団活動(公務)に従事していることをいう。

2. 公務起因性

「公務起因性」とは、公務に従事したことにより負傷し、又は肉体的、精神的に過重な負荷がかかり疾病にかかったことをいう。その場合、公務に従事したことと、負傷又は疾病にかかったこととの間に社会常識ないし経験則に照らし合わせて原因と結果の関係が認められること(相当因果関係の成立)が必要とされる。

  1. 負傷についての公務起因性の判断
    負傷の場合には可視的であることが多いので、おおむね医学的判断を待たず公務起因性を判断することができる。
    ただし、時間的経過がある場合や外観のみでは判断できない場合には医学的判断が必要になる。
  2. 疾病についての公務起因性の判断
    疾病の場合には、外観から判断することができないので、専ら医学的判断により公務起因性を判断する。
  3. 基礎疾患(持病)と公務起因性の判断
    高血圧症等の基礎疾患がある場合には、公務による肉体的、精神的な過重な負荷が基礎疾患の自然経過(加齢や通常の生活)を超えて、脳血管疾患、心臓疾患等を発症させたと認められる場合に公務起因性があると判断される。
  4. 過労の認定(過重負荷の認定)
    公務起因性を判断する際の過重負荷の評価については、発症の時期における肉体的、精神的負荷の有無のほか、その時点からおおむね6箇月遡及した期間における当該負荷(過労)の有無も考慮することとしている。

第5 公務災害補償の内容

(凡例) 本項に引用する法令名等の略称は、次のとおりである。
基準政令・・・・・ 非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令(昭和31年政令第335号)
総務省令・・・・・ 非常勤消防団員等に係る損害補償の支給等に関する省令(平成18年総務省令第110号)
総務省告示・・・ 非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令第6条の2第1項の規定に基づき総務大臣が定める金額を定める件(平成18年総務省告示第503号)
福祉規程・・・・・ 福祉事業の実施に関する規程(昭和47年基金規程第4号)

1 補償基礎額
1. 補償基礎額の意義(基準政令第2条第1項)

補償基礎額は、療養補償及び介護補償を除く損害補償並びに福祉事業のうち休業援護金及び各種特別給付金の算定の基礎となるものである。この補償基礎額は、基礎額と扶養加算額とで構成される。

2. 基礎額
  1. 団員(基準政令第2条第2項第1号、別表)
    団員の基礎額は、災害が発生した日において、その者が属していた階級と勤務年数によって定められた額となる。階級と勤務年数による区分は、次のとおりである。
    なお、勤務年数を算定する場合においては、「団長・副団長」、「分団長・副分団長」及び「部長・班長・団員」の各区分内の階級はそれぞれ同一階級とみなし、災害発生日に属していた階級に任命された日前における当該階級と同一以上の階級の期間とを合算した年数となる。
    平成29年4月1日現在
    階級勤務年数
    10年未満10年以上
    20年未満
    20年以上
    団長・副団長 12,400円 13,300円 14,200円
    分団長・副分団長 10,600  11,500  12,400 
    部長・班長・団員 8,800  9,700  10,600 
  2. 民間協力者(基準政令第2条第2項第2号)
    民間協力者の基礎額は、8,800円である。ただし、その者が通常得ている収入日額が8,800円を超える場合は、8,800円から14,200円の間の収入日額となる。
    なお、収入日額は、過去1年間の収入金額に基づき算定されるが、給与所得者と自営業者等とではその方法が異なる。
3. 扶養親族加算

扶養親族加算は、災害が発生した日において、団員等に一定の要件を満たす扶養親族がある場合に、基礎額に一定の額を加算するものである。

  1. 扶養親族加算額

①加算額(基準政令第2条第3項)
 基本的な加算額は、次のとおりである。

平成29年4月1日現在

(注)満22歳に達する日以後の最初の3月31日を超えた子で、重度心身障碍者として扶養親族

   とされている者は、「子」以外に該当  

② 特定期間にある子についての加算(基準政令第2条第4項)

  上記の①のほか、扶養親族加算の対象となる子のうち、満15歳に達する日後の最初の4月1日から満22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子について、1人につき167円をさらに加算するものである。

  1. 扶養親族の範囲(基準政令第2条第3項)
    扶養親族の範囲は、次に掲げる者で、災害発生日において他に生計を維持するみちがなく、主として被災団員等の扶養を受けていた者である。
    1. 配偶者(婚姻の届出をしないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)
    2. 22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び孫
    3. 60歳以上の父母及び祖父母
    4. 22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある弟妹
    5. 重度心身障害者
2 損害補償の種類と概要

損害補償は、公務上の災害によって生じた損害の補てんを目的とした基本的給付であり、市町村等が条例に基づき補償しなければならないものである。損害補償の種類及びその概要は、次のとおりである。

1. 療養補償(基準政令第3条、第4条第1項)

負傷したり疾病にかかった場合に、医師の診察、薬剤や治療材料の支給、処置、手術その他の治療等の必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を支給するものである。

2. 休業補償(基準政令第5条)

負傷したり疾病にかかったりした場合に、療養のため勤務や業務に従事することができず、給与や業務上の収入を得られなかったときに、その勤務や業務に従事することができない期間、1日につき補償基礎額の100分の60に相当する額を支給するものである。

3. 傷病補償年金(基準政令第5条の2、総務省令別表第一)

負傷したり疾病にかかったりした場合で、療養の開始後1年6箇月を経過してもその傷病が治らず、一定の傷病等級に該当するときに、その傷病が継続している期間、次により算定した年金を支給するものである。

傷病等級年金額
第1級 補償基礎額×313
第2級 補償基礎額×277
第3級 補償基礎額×245

※療養補償及び休業補償との関係(基準政令第5条の2第3項)
 傷病補償年金が支給される場合には、療養補償は引き続き行われるが、休業補償は行われない。

4. 障害補償(基準政令第6条、総務省令別表第二)

負傷したり疾病にかかったりした場合で、その傷病は治ったが一定の障害が残ったときに、障害等級第1級から第7級までの者には年金として、障害等級第8級から第14級までの者には一時金として、次により算定した額を支給するものである。

障害補償年金障害補償一時金
障害等級 支給額 障害等級 支給額
第1級 補償基礎額×313 第8級 補償基礎額×503
第2級 補償基礎額×277 第9級 補償基礎額×391
第3級 補償基礎額×245 第10級 補償基礎額×302
第4級 補償基礎額×213 第11級 補償基礎額×223
第5級 補償基礎額×184 第12級 補償基礎額×156
第6級 補償基礎額×156 第13級 補償基礎額×101
第7級 補償基礎額×131 第14級 補償基礎額×56

なお、障害補償年金に関連して、次の特例がある。

  1. 障害補償年金差額一時金(基準政令附則第1条の2)
    障害補償年金の受給権者が死亡した場合において、既に支払われたその年金と前払一時金の合計額が、その障害の程度に応じた一定額(補償基礎額の1,340倍~560倍)に満たないときに、その遺族に対してその差額を支給するものである。
  2. 障害補償年金前払一時金(基準政令附則第1条の3)
    障害補償年金の受給権者が、年金の支給決定から1年以内にその前払いを申し出たときは、一定額(補償基礎額の1,200倍~200倍)の中から選択した額をその後に受ける年金の前払一時金として支給するものである。
5. 介護補償(基準政令第6条の2、総務省令別表第三、総務省告示)

傷病等級第2級以上の傷病補償年金又は障害等級第2級以上の障害補償年金を受給する原因となった障害のうち、特定の障害により、常時又は随時介護を要する状態にある者が、介護を受けたために費用を支出したときにその費用を限度額まで支給するものである。
また、親族等から介護を受けたときには定額を支給するものである。

平成29年4月1日現在
区分支給額
介護に要する費用として支出された額が最低補償月額を超える場合の限度額(他人介護) 常時介護 105,130円
随時介護 52,570円
最低補償月額(親族介護) 常時介護  57,110円
随時介護 28,560円
6. 遺族補償(基準政令第7条)

団員等が死亡した場合に、その遺族に対して、遺族補償年金又は遺族補償一時金を支給するものである。

  1. 遺族補償年金(基準政令第8条~第8条の4)
    団員等の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、団員等の死亡の当時、その収入によって生計を維持していた者のうち、その最先順位にある者に対して、その者及びその者と生計を同じくしている遺族の人数に応じて、次により算定した年金を支給するものである。
    遺族補償年金(基準政令第8条~第8条の4)
    遺族の人数年金の額
    1人 ア イ以外の者である場合 補償基礎額×153
    イ 55歳以上の妻又は特定障害状態にある妻 補償基礎額×175
    2人 補償基礎額×201
    3人 補償基礎額×223
    4人以上 補償基礎額×245
  2. 遺族補償一時金(基準政令第9条~第9条の3)
    団員等の死亡の当時、遺族補償年金を受けることができる遺族がいないとき、その他の遺族のうち最先順位にある者に対して、次により算定した一時金を支給するものである。
    順位遺族の範囲支給額
    1 生計維持関係のあった配偶者(55歳未満の夫)
    生計維持関係のなかった配偶者
    補償基礎額×1,000
    2 生計維持関係のあった18歳に達した日以後の最初の3月31日を経過した子
    3 生計維持関係のあった55歳未満の養父母
    4 生計維持関係のあった55歳未満の実父母
    5 生計維持関係のあった18歳に達した日以後の最初の3月31日を経過した孫
    6 生計維持関係のあった55歳未満の祖父母
    7 生計維持関係のあった18歳に達した日以後の最初の3月31日を経過した兄弟姉妹又は55歳未満の兄弟姉妹
    8 1~7以外の者で主として団員等の収入によって生計を維持していた者 三親等内の親族で18歳未満、55歳以上又は特定障害状態にある者 補償基礎額× 700
    上記以外の者 補償基礎額× 400
    9 生計維持関係のなかった子 補償基礎額×1,000
    10 生計維持関係のなかった養父母
    11 生計維持関係のなかった実父母
    12 生計維持関係のなかった孫
    13 生計維持関係のなかった祖父母
    14 生計維持関係のなかった兄弟姉妹

    なお、遺族補償年金に関連して、次の特例がある。

    • 遺族補償年金前払一時金(基準政令附則第2条)
      遺族補償年金の受給権者が、年金の支給決定から1年以内にその前払いを申し出たときは、一定額(補償基礎額の1,000倍~200倍)の中から選択した額をその後に受ける年金の前払一時金として支給するものである。
7. 葬祭補償(基準政令第11条、附則第4条)

団員等の死亡に際して、遺族等が葬祭を行った場合に、その者に対して次のいずれか高い額を支給するものである。

  • 315,000円+補償基礎額×30倍
  • 補償基礎額×60倍
3 福祉事業の種類と概要

福祉事業は、公務上の災害を受けた団員又はその遺族の福祉を増進するため、法的義務として行う損害補償を補完する付加的給付であり、市町村等に努力義務が課せられているが、消防基金が市町村等に代わって行うものである(責任共済法第13条)。
福祉事業の種類及びその概要は、次のとおりである。

  1. 外科後処置(福祉規程第3条)
    障害等級に該当する者のうち、義肢装着のための断端部の再手術等の処置が必要であると認められる者に対し、診察、薬剤又は治療材料の支給等の外科後処置を行うものである。
  2. 補装具(福祉規程第4条)
    障害等級に該当する者のうち、補装具を必要とする者に対し、義肢、義眼、補聴器、車椅子等必要な補装具を支給し又はその費用を支給するものである。
    また、補装具の支給、修理又は再支給のため旅行する場合は、必要な旅行費(鉄道賃、船賃、車賃及び宿泊料(福祉規程第6条))を支給するものである。
  3. リハビリテーション(福祉規程第5条)
    障害等級に該当する者のうち、社会復帰のために身体の機能の回復等の措置が必要であると認められる者に対し、必要な措置を行い、又はその措置に必要な費用を支給するものである。
    また、リハビリテーションを受けるために旅行する場合は、必要な旅行費(鉄道賃、船賃、車賃及び宿泊料(福祉規程第6条))を支給するものである。
  4. アフターケア(福祉規程第7条)
    外傷による脳の器質的損傷を受けた者等一定の傷病を有する者に対し、円滑な社会生活を営ませるために、治ゆ(症状固定)後であっても症状の安定、維持又は予防を図る必要のある特定の疾病について、一定範囲の必要な処置(じょく創処置、てんかん治療等)を行うものである。
  5. 休業援護金(福祉規程第8条)
    休業補償を受ける者に対し、原則として補償基礎額の100分の20に相当する額を支給するものである。
  6. 在宅介護を行う介護人の派遣に関する事業(福祉規程第9条)
    傷病補償年金又は障害等級第3級以上の障害補償年金の受給権者のうち、現に居宅において入浴、排せつ、食事等の介護を受けている者に対し、介護人を派遣し、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜(以下「介護等」という。)を供与し、又はその供与に必要な費用を支給するものである。ただし、介護等の供与を受け、又はその供与に必要な費用の支給を受ける者は、当該介護等に係る費用の一部を負担するものとされている。
  7. 奨学援護金(福祉規程第10条)
    年金受給権者(障害補償年金の障害等級第4級から第7級を除く。)のうち、本人やその子が在学者である等一定の支給事由に該当する者に対し学校区分に応じて、在学者一人につき次の額を支給するものである。
    平成29年4月1日現在
    区分1人につき月額
    小学校等に在学する者 14,000円
    中学校等に在学する者 18,000円
    高等学校等に在学する者 16,000円
    大学等に在学する者 39,000円
  8. 就労保育援護金(福祉規程第11条)
    年金受給権者(障害補償年金の障害等級第4級から第7級を除く。)のうち、本人やその未就学の子が保育所に預けられる等一定の支給事由に該当する者に対し、児童1人につき月額12,000円を支給するものである。
  9. 傷病特別支給金(福祉規程第12条)
    傷病補償年金の受給権者に対し、次の区分に応じて一時金を支給するものである。
    平成29年4月1日現在
    傷病等級支給額
    第1級 114万円
    第2級 107
    第3級 100
  10. 傷病特別給付金(福祉規程第17条)
    傷病補償年金の受給権者に対し、年金額の100分の20に相当する額を支給するものである。ただし、その額については、一定の限度額が定められている。
  11. 障害特別支給金(福祉規程第13条)
    障害補償の受給権者に対し、次の区分に応じて一時金を支給するものである。
    平成29年4月1日現在
    障害等級支給額障害等級支給額
    第1級 342万円 第8級 65万円
    第2級 320 第9級 50
    第3級 300 第10級 39
    第4級 264 第11級 29
    第5級 225 第12級 20
    第6級 192 第13級 14
    第7級 159 第14級 8
  12. 障害特別援護金(福祉規程第15条)
    障害補償の受給権者に対し、次の区分に応じて一時金を支給するものである。
    平成29年4月1日現在
    障害等級支給額障害等級支給額
    第1級 1,540万円 第8級 320万円
    第2級 1,500 第9級 250
    第3級 1,460 第10級 195
    第4級 875 第11級 145
    第5級 745 第12級 105
    第6級 615 第13級 75
    第7級 485 第14級 45
  13. 障害特別給付金(福祉規程第18条)
    障害補償年金及び障害補償一時金の受給権者に対し、それぞれの年金額又は一時金額の100分の20に相当する額を支給するものである。ただし、その額については、一定の限度額が定められている。
  14. 障害差額特別給付金(福祉規程第21条)
    障害補償年金差額一時金の受給権者に対し、一時金額の100分の20に相当する額を支給するものである。ただし、その額については、一定の限度額が定められている。
  15. 遺族特別支給金(福祉規程第14条)
    遺族補償の受給権者に対し、次の区分に応じて一時金を支給するものである。
    平成29年4月1日現在
    支給対象者支給額
    遺族補償年金の受給権者 300万円
    遺族補償一時金の受給権者
    ・ 配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
    ・ 三親等内の親族のうち、18歳未満若しくは55歳以上の者又は特定障害状態にある者で主として生計維持関係にあったもの(配偶者の父母、おじ、おば、おい、めい等)
    ・ 上記以外の者で、主として生計維持関係にあったもの

    300万円

    210

    120
  16. 遺族特別援護金(福祉規程第16条)
    遺族補償の受給権者に対し、次の区分に応じて一時金を支給するものである。
    平成29年4月1日現在
    支給対象者支給額
    遺族補償年金の受給権者 1,860万円
    遺族補償一時金の受給権者
    ・ 配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
    ・ 三親等内の親族のうち、18歳未満若しくは55歳以上の者又は特定障害状態にある者で主として生計維持関係にあったもの(配偶者の父母、おじ、おば、おい、めい等)
    ・ 上記以外の者で、主として生計維持関係にあったもの

    1,860

    1,302

    744
  17. 遺族特別給付金(福祉規程第20条)
    遺族補償年金及び遺族補償一時金の受給権者に対し、それぞれの年金額又は一時金額の100分の20に相当する額を支給するものである。ただし、その額については、一定の限度額が定められている。
  18. 長期家族介護者援護金(福祉規程第22条)
    傷病補償年金又は障害補償年金の受給権者(10年以上年金を受給している者に限る。)のうち、一定の障害に該当する者が私傷病により死亡した場合に、長期間介護に当たってきた遺族に対し、一時金として100万円を支給するものである。
4. 年金等の支給期月

次に掲げる年金等の支給は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の支給期月に、各支給期月の直前2月分を支給する。

  1. 損害補償
    傷病補償年金、障害補償年金及び遺族補償年金
  2. 福祉事業
    奨学援護金、就労保育援護金、傷病特別給付金、障害特別給付金(年金)及び遺族特別給付金(年金)

第6 事故発生から支払までの流れ

1 速報及び事前協議のお願い

市町村等において公務災害となり得ると判断した災害が発生した場合には、市町村等が公務災害の認定を行うに当たり、基金の審査結果とそごが生じることのないよう、傷病名(公務災害の該当可否が判断できるもの)が判明次第できるだけ早めに、基金へ速報を提出されるようお願いします(この際、傷病名の確認のために診断書を取られても、その診断書料は基金の支払対象にならないので、御注意願います。)。
なお、次に掲げる事案については、基金は速報を受けた後、必要な調査、資料等を示した上で、別途事前協議を依頼することとしています。

脳血管疾患・心臓疾患等の疾病事案、死亡事案・傷病の程度が重篤な事案、その他基金が協議を必要とするもの。

また、後遺障害の程度に係る事案などについても、その決定前に別途事前協議を依頼することがあります。

(上記の取扱いについては、平成22年12月3日付消基発第628号「消防団員等の災害発生に係る速報及び協議について」で通知しています。)

2 フローチャート

事故発生から支払までの流れについては、以下のとおり。

事故発生から支払までの流れ フローチャート

第7 円滑な公務災害補償事務のために

1 損害補償費及び福祉事業費の支払請求について

市町村長及び一部事務組合管理者等が基金に支払請求を行う際には、特に次の点に留意すること。

  1. 各種請求様式の指定個所に市町村長、団長等の押印があること。
    (例:被災者が消防団員の場合、事故状況等証明書に団長の押印があること。)
  2. 各種請求様式の必要記載欄に記入漏れがないこと。
    (例:被災者が消防団員の場合、事故状況等証明書に団員の任免履歴があること。)
  3. 療養補償費関係
    1. 療養の現状報告
      療養開始後、1年6箇月を経過した日において(又は必要の都度)傷病が治っていない場合には、療養の継続性等について検討を要するので、同日後1月以内に「療養の現状報告書」を提出すること。
    2. 治ゆの時期について
      公務災害補償制度上の「治ゆ」とは、傷病が完治した場合をいうだけでなく、その症状が固定し、もはや医療効果が期待できなくなった場合も含むものとされている。治ゆしたかどうかを判断する場合の一般的な基準は次のとおりである。
      • 切創などにあっては、創面がゆ着し、薬剤を使用しなくなったこと
      • 打撲症にあっては、発赤腫張、水腫などの急性症状が消退し、湿布、消炎剤などの処置を必要としなくなったこと
      • 骨折にあっては、骨がゆ合(変形の場合、偽関節形成ゆ合を含む。)したこと
      • 疾病にあっては、急性症状が消退し、慢性症状が持続しても医療効果が期待し得ない状態になったこと
    3. 当基金の医療費用算定基準等(主なもの)
      • 診療費請求明細書・休業補償費内訳書における診療(施術)担当者の証明費用(文書料)は、2,000円が上限とされていること。
      • 診療点数の1点単価は、12円以内とされていること。
      • 公務上の災害である場合、健康保険及び国民健康保険による保険給付の適用が受けられないことになっており、被災団員等が使用した場合、基金は基金算定準に基づき療養費全額を支払うものであり、市町村等は保険機関及び被災者に対して診療費用の返納措置を取る必要があること(民間協力者については、健康保険の適用が受けられる。)。
      • 基金の求めた医師の診断書・意見書のほか、市町村等の公務災害の認定のための診断書(平成27年4月1日以後において発生した事故に係る診断書であって、公務上の災害と認定された場合のものに限る。)については、5,000円を上限に支払対象とされていること。
      • 療養補償費は消費税法上、非課税であること(福祉事業費(補装具費等は除く。)についても同様)。
  4. 休業補償費関係
    1. 入院等で明らかに労務に従事することができなかった場合を除いては、療養のために 休業しなければならなかったこと等について医師等の意見等の記載があること。
    2. 勤務者の場合、休業期間中に給与が支払われなかった(又は減額された)ことについて使用主の証明があること。
    3. 補償基礎額(基礎額・扶養加算額)の改定に留意すること。
  5. 休業援護金請求書について
    1. 被災者が消防団員で休業補償が発生する場合には、併せて休業援護金の請求も行うこと。
    2. 原則として、送金先の口座は被災団員本人の口座であること。
2 年金に係る報告について
  1. 定期報告
    市町村長又は一部事務組合管理者等は、年金受給者(傷病・障害・遺族)がいる場合には毎年1回2月1日現在の状況について、2月1日から同月末日までに、奨学援護金・就労保育援護金の受給者がいる場合には、毎年1回4月1日から同月末日までに、それぞれ定期報告をしなければならない。
    なお、他の法律の受給関係がある場合には、必ず様式の記載欄に必要事項を記入すること。
  2. 異動報告
    市町村長又は一部事務組合管理者等は、年金受給者について、下記の異動事由が発生した場合には、速やかに基金に報告しなければならない。
    1. 傷病・障害・遺族補償年金における共通事項
      • 受給権者の住所の変更があったとき
      • 受給権者の氏名の変更があったとき
      • 同一の事由により支給されていた他の法律による年金の支給額に変更があったとき
      • 同一の事由により支給されていた他の法律による年金が支給されなくなったとき
    2. 傷病・障害補償年金の事項
      • 受給権者が死亡したとき
      • 障害の程度に変更があったとき
    3. 遺族補償年金の事項
      • 受給権を失権したとき、又は、受給資格者の数に増減があったとき
        (例:死亡、婚姻、離縁、子が18歳に達したとき、受給権者と受給資格者が生計を異にしたとき等)

第8 請求書等様式及び関係規程・通知

1 公務災害補償費請求等に係る関係様式

損害補償、福祉事業など以下の請求事務において消防基金が定めているすべての請求書、証明書及び内訳書等の様式は、当ウェブページからダウンロードできます。

  1. 損害補償費
  2. 福祉事業費
  3. 自動車等損害見舞金
  4. 第三者加害事故
  5. 消防団員等災害発生速報

[様式ダウンロード]
上記の請求事務に係る様式については、Excel及びPDFファイルを圧縮した以下のZIP又はLZH形式のファイルをダウンロードし、解凍して利用してください。

ZIPLZH

2 公務災害補償費等に係る関係規程・通知

認定(速報)、損害補償、福祉事業及び自動車等損害見舞金に係る主な関係規程・通知については、「諸規程一覧」をご覧ください。

3 個人情報の取扱い

提出していただく様式(必要な添付書類を含む。)に記載されている個人情報の利用目的は、次のとおりです。
また、提出いただく様式に関連して、後日、追加して必要文書を提出いただく場合においても、当該文書に記載された個人情報の利用目的は、次のとおりです。
なお、損害補償の請求及び福祉事業の経由時においては、個人情報の取扱いに留意してください。

[消防基金における個人情報の取扱い]
消防団員等公務災害補償等共済基金は、取得した個人情報を、損害補償費・福祉事業費・自動車等損害見舞金・市町村特別交付金の支払い(審査請求に基づく審査、訴訟追行及び第三者加害に係る損害賠償との調整を含む。)、統計作成及び公務災害防止対策のために利用します。
また、法令に基づく場合等を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は第三者に提供しません。

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